株式会社ユーザーローカル

プレスリリース

「滞在時間はどうやって計っている?」
「携帯サイトはなぜ一人当たりのページビューが多い?」

Webアクセス解析の疑問に答える25のTIPS

2008年7月31日、百式田口氏が主催する勉強会で、アクセス解析のトレンドについて弊社伊藤が解説しました。その際に参加者から出た質疑応答を以下に公開します。

1. 複数のアクセス解析ツールをいれた場合、ツールによって数に違いがあるのはなぜか

たしかに、ツールによって 10% ぐらい差があるようだ。
おそらく解析用 Javascript の仕様の違い、キャッシュの効き具合やセキュリティ対策ソフトによるフィルタリングなどが原因なのでは?あるいは、ページを見た直後にブラウザを閉じた場合に、まだ Javascript が動くまえに消えてしまった、とか。
このことを考慮して、ツールを乗り換えるときは、しばらく併用してどのぐらい差があるかを知っておいたほうがいい。

2. 外部にあるサイトのアクセス数は調べられますか?

Alexa や Google Trends などのツールを利用する。細かい情報を調べたいなら、Web Scouterが便利。

3. アクセス解析をすると、どんな個人情報が取得できるのか。アクセス元の場所の特定はどの程度できる?

Cookie や端末 ID だけでは個人情報はまったく取れない。すでに個人情報が入ったデータベースを持っていれば、それと紐付けば可能かもしれない。IP アドレスでは都道府県、およその地域が分かるが、全部ではない。

4. アクセス解析ツールにある「滞在時間」はどうやって計っているのか?

ツールによって定義が異なると思われる。Javascript などを利用することで、おおよその時間は取れるが、厳密な時間は取れない。

5. アクセス解析にかけた費用って、元が取れますか?

EC や高額製品のプロモーションサイト、B2Bサービスなど単価が高いサイトではいいと思う。元を取るのはなかなか大変。

6. アクセス解析ツールの業界シェアを教えてほしい

国内では Google Analytics と古くから提供されている NINJA TOOLS (SHINOBI) が多いと思われる。

7. SEO の状況が確認できるアクセス解析ツールはあるか。自動的にページを改善できるといいのだが…

LPO (Landing Page Optimization) 機能が付いているツールがあります。

8. すでにアクセス解析を入れている企業は、ちゃんとデータを活用できているのか

あまりしてないと思う。どう見られているかがわかっても改善しにくい。
高校中学での模擬試験で、どこが弱い、強い、というのが分かっても、実際対策している生徒が多いかというとそうではない。それと近いと思う。

9. 無料でお勧めのアクセス解析ツールは Google のサービスですか?

広告が出ないのに無料、という意味では Google Analytics は最強か。

10. 携帯でアクセス解析で無料ツールのお勧めのものはありますか?


ぜひ弊社の「うごくひと」を試してみてください。

11. 自社のサーバーが落ちていたにもかかわらず、アクセス解析ツールのログにはアクセスの記録があった。なぜ?

HTML のキャッシュがブラウザに残っていて、そこから呼ばれた可能性がある。

12. 有料ツールを使うメリットってなんですか?

各担当者向けのレポーティング機能が強い、ベンダーの導入サポートやコンサルティングがある点、カスタマイズのしやすさなどがある。

13. アクセス解析の有料製品の値段が高い理由はなぜ?

なんとも言えないが、高いほうが「マーケティングツール」として優秀そう、というのはあるかもしれない。

14. サイトの変更がアクセス数にどれだけ影響あるか、のテストの方法はある?

コンバージョンレート(購入などのアクションへの転換率)などを調べる手法として A/B テスト(2 種類のページを出し分けて、効果の差を測る)という手法がある。
ただ、使い勝手などは、慣れの要素が大きく、リピーターと新規訪問者でまったく異なる反応があったりするため、必ずしもその結果だけで決めるのは難しい。

15. サイトの URL を変更した場合、アクセス数などに影響はあるか?

検索経由でのアクセス比率が高い場合は、影響が大きいと思う。

16. PC よりモバイルのサイトのほうが、一人当たりのページビューが多いのはなぜ?

1 ページの上に掲載できる情報量が限られるためと考えられる。
何かアクションしてしばらくたってメールが来て、また続きを見る、みたいなパターンもあり、いったん閉じた後また続きを見る、などのモバイルならではの理由があるかもしれない。

17. アクセス解析でよく言われる「離脱率」というのは気にしたほうがいいのでしょうか

それを元に改善してみるといい。ただ、ある程度まで改善されたら、その後はあまり気にしないほうがいい。プロモーションを強化して興味のない人のアクセスを増やせば、おのずと離脱率は上がってしまうものだから。

18. 日本にない、海外系アクセス解析ツールでのすごい機能はありますか?

クリックされた場所やよく見られている場所などをサーモグラフィのように表示する、ヒートマップ機能などがある。Flash や動画の解析や、SaaS(Software as a Service)として、サーバーからアクセスできる点は、あまり日本にはまだない。

19. いまユーザーが求める機能は何?

モバイル、企業用、リアルタイム性のあるアラートツールなどの需要は高い。

20. ブログのサービスなど Javascript が使えないサイトでもアクセス解析をしたいが、どうすればいい?

JavaScript を使わずにプログラムを画像に埋め込む「画像タグ方式」でも、ある程度の解析は可能だ。

21. アクセス解析を導入することによる悪影響はあるか?


複数のツールのバッティングによって Javascript のエラーが発生した、ページの表示が少し遅くなった、というようなトラブル話は耳にする。

22. アクセス解析ツールを使うときの落とし穴は?

なんとなく PV を眺めるだけで満足してしまう、ということがよくある。何か仮説を検証するために使うのが効果的。

23. 解析する期間はどのくらいを考えればいい?

サイトによる。1、2 か月だけあればいいというサイトもあれば、長期で追ったほうがいい、というサービスもある。

24. アクセス数(PV)と広告料のざっくりとした相場を知りたい

「媒体資料」「メディアガイド」などで検索するといい。

25. PV とクリックされた数、つまり「クリック率」って、どれくらいになるのですか?

一概には言えない。広告クリエイティブの質や種類にもよるため。PVよりも UU(Unique User : 重複を除いたユーザー数)を重視したほうがいい場合が多い。

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